病院に残されたカルテを調べる必要があること

平成25年6月20日に横浜地裁で1人の原告さんの和解が成立しました。
この方は,病院から製剤投与の連絡をもらって,初めて被害に気付きました。
それまでは輸血で肝炎ウィルスに感染したと思っていたからです。
病院の協力で救済に至ったことについて,原告・弁護団ともに非常に感謝しています。
神奈川新聞
「C型肝炎訴訟、60代女性が国と和解 医療機関の通知で発覚」
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1306200037/
産経新聞
「薬害肝炎訴訟 60代女性と国の和解が成立
 病院の自主連絡で気付く 横浜地裁」
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130620/kng13062022000012-n1.htm
薬害肝炎の救済を受けるためには,20年以上前のカルテを探す必要があります。
カルテの保存期間を過ぎているため廃棄されているカルテも多いのですが
現在も倉庫の中でひっそりと眠っているカルテも多く残されています。
患者さんが自分で被害に気付いて病院に問い合わせることができればよいのですが
輸血で感染したと思っていたり(そもそも製剤投与の事実を知りえない),
自分が肝炎になっていることを知らなかったりして,問合せまで至っていない事例が
まだまだ救済されずに残されていると考えられます。
このような現状から,救済が進んでいないため,薬害肝炎救済法が延長されたのですから
薬害被害者を一人でも多く救済するためには,
病院に残されたカルテを調べる必要があることは明らかです。
医療機関や行政が知恵を絞り,カルテ調査に乗り出すよう,
弁護団として働きかけを続けていきたいと思っています。

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